【弁護士解説】なぜキャンセル料を請求するのか?飲食店が正当性を説明する理由と伝え方
【弁護士解説】なぜキャンセル料を請求するのか?飲食店が正当性を説明する理由と伝え方

「キャンセル料なんて厳しすぎるのでは?」「本当に請求しても問題ないの?」
こうした声は、キャンセル料の設定・運用に踏み切った飲食店が直面しやすい不安です。しかし、法的に見れば、キャンセル料の請求は正当な権利であり、適切に準備していれば請求は可能です。
本記事では、弁護士の視点から、飲食店がキャンセル料を請求する法的な根拠と、正当性の説明方法をわかりやすく解説します。
1. キャンセル料請求は「契約上の当然の対応」です
予約が成立した時点で、飲食店とお客様の間には「予約契約」が成立しています。
この契約に基づき、お店側は「席と料理を準備する義務」、お客様には「利用または代金支払いの義務」が生じます。
お客様が一方的にこれらの義務を履行しない(=無断キャンセル)場合は、契約違反となり、準備済みの仕入れ費用や機会損失を補填するための損害賠償請求(キャンセル料請求)が認められ得ます。
これは民法上の「債務不履行責任」に基づくものであり、特別な措置ではなく契約関係に基づいた当然の対応なのです。
2. 請求を有効にするために必要な3つの条件
- ① キャンセルポリシーを事前に明示していること
→ 予約ページ・電話対応・確認メール等で周知 - ② お客様が内容を理解・同意していること
→ チェックボックス・口頭確認・メッセージ送信など - ③ 実際に損害が発生していること
→ 席確保・仕込み・他顧客の断りなど、営業機会の損失
これらが整っていれば、法的に請求可能な正当性が十分に認められるケースがほとんどです。
3. 「納得感」を生む伝え方とは
法的に正しくても、お客様が納得しないまま請求するのは避けたいものです。
現場では、以下のように感情面への配慮も含めた説明が効果的です。
- 「ご予約のために席と食材をご用意しております」
→ 仕込み・準備が発生することを明確に - 「ご連絡がないと他のお客様をご案内できなくなってしまいます」
→ 他のお客様への配慮であることを強調 - 「あらかじめお伝えしているルールですので、ご理解ください」
→ 一律対応であることを伝え、特別扱いではないと示す
「感情」+「事実」+「事前同意」をセットで伝えることで、過剰な反発を避けることができます。
4. 法的トラブルが不安な場合は弁護士に相談を
「請求したいが、トラブルになりそうで怖い」「法的に大丈夫か不安」という場合は、弁護士による事前の確認や代行請求を活用することで、リスクを最小限にしながら請求することが可能です。
一度キャンセル料の支払いを拒まれた場合でも、法的に整った手続きを踏むことで、正当に請求できるケースは多くあります。
まとめ|キャンセル料請求は「当然の契約対応」
キャンセル料の請求は、飲食店が経営を継続し、他のお客様にも適切なサービスを提供するための正当な手段です。
事前に明示し、丁寧に説明し、それでも無断キャンセル等で支払いがされない場合は、法的措置により回収するという選択肢も取ることができます。
『キャンセル料請求代行navi』では、法的根拠に基づき、弁護士が適切なキャンセル料の請求を代行します。