請求しても支払われない…少額訴訟を検討すべき判断ラインと準備手順

キャンセル料を丁寧に請求しても、まったく支払う意思を見せないお客様。
「このまま泣き寝入りするしかないのか」と悩む飲食店・美容室経営者も少なくありません。
そんな時に選択肢となるのが「少額訴訟制度」です。
本記事では、弁護士の視点から、少額訴訟を検討すべき判断基準や準備の進め方について、実務的な観点で詳しく解説します。
少額訴訟とは?|1日で終わる簡易な裁判手続き
少額訴訟とは、請求金額が60万円以下の金銭請求に限って、1回の期日で審理・判決まで終わる特別な裁判制度です(民事訴訟法第368条)。
- 証拠が揃っていれば、数週間〜1ヶ月程度で結論が出る
- 原則、本人訴訟も可能(弁護士に依頼しなくてもOK)
- 訴訟費用も数千円〜と比較的安価
「裁判は大げさ」と感じる方でも、泣き寝入りを防ぐ現実的な手段として活用可能です。
こんな場合は少額訴訟を検討すべき
以下のようなケースでは、少額訴訟を視野に入れる価値があります。
- キャンセル料について予約時に明示していたにもかかわらず、全く応じる様子がない
- 内容証明などで再三連絡したが無視されている
- 店舗側で損失額(準備食材・人員拘束など)が明確に算出できる
逆に、ポリシーの周知が不十分だったり、記録が曖昧だったりする場合は、訴訟よりもまず交渉の整理から始めるべきです。
少額訴訟に必要な準備書類
- 訴状(簡易裁判所で入手・記入可能)
- 請求根拠となる証拠(予約履歴、LINE・DM、電話記録など)
- 損害額の根拠(仕入れ原価・営業損失のメモでもOK)
- 内容証明郵便の控え(送っている場合)
- 相手方の氏名・住所(免許証の写真やDMの履歴などから特定)
書類がそろっていれば、管轄の簡易裁判所に郵送または窓口で提出すればOKです。
少額訴訟後の流れと注意点
訴訟に勝っても、相手が任意に支払わない場合は「強制執行」という次の手続きが必要です。
また、相手が異議申立てをすると通常の民事訴訟に切り替わる可能性もあります(年に数件ある程度)。
不安な場合は、最初から弁護士に相談して請求から訴訟準備まで任せるのも有効です。
まとめ|少額訴訟は「最後の手段」ではなく「泣き寝入り回避の選択肢」
キャンセル料の未払いに悩む店舗にとって、少額訴訟は現実的で手軽な法的手段です。
『キャンセル料請求代行navi』では、弁護士による請求文案の作成から、必要に応じた訴訟支援までサポートしています。
お困りの際は、まずは一度ご相談ください。