ドタキャンが続く客への“受け入れ拒否”は合法か?営業の自由と契約の関係

無断キャンセルを繰り返す一部の顧客に対して、店舗側が「今後の予約を受け付けない」と判断するケースがあります。
しかし、こうした“予約拒否”の対応が法的に問題ないのか気になる店舗オーナーも多いのではないでしょうか。
本記事では、ドタキャン常習者への受け入れ拒否が許されるかについて、営業の自由・契約自由の原則から解説します。
1. 受け入れ拒否は「原則として合法」
飲食店や美容室など通常の店舗は私人であり、顧客との取引に関して「契約の自由」が原則として認められています。したがって、過去の無断キャンセル履歴などを理由に、予約を断ること自体は、原則として契約自由の範囲で認められます。
実際に、以下のような理由は正当とされる可能性が高いです:
- 過去に複数回の無断キャンセルがあった
- キャンセル料未払いのまま再予約しようとしている
- 店側や他の顧客に迷惑をかけたトラブル履歴がある
2. 差別的・恣意的な拒否は許されない
しかしながら、飲食店や美容室などの通常の店舗の場合でも、次のような対応は決して許されません:
・人種・性別・国籍・障がいなどを理由とした拒否
・特定の顧客を恣意的に排除する対応
また、過去の無断キャンセルなどを理由に予約を断る場合であっても、拒否理由を一切説明しない対応は望ましくありません。事前に予約拒否のルールを明示したうえで、過去の客観的事実に基づき判断し、拒否の理由を明確に説明することが重要です。
なお、公共性の高い業種(例:交通機関、医療、公共施設等)は、「正当な理由なくサービスを拒否することは違法」とされるケースがありますので、注意が必要です。
3. ルール整備と丁寧な説明でトラブルを防ぐ
受け入れ拒否を正当化するためには、以下のような取り組みが有効です:
- キャンセルポリシーを明文化し、予約時に告知し、顧客から同意を得る
- 無断キャンセルが続いた場合の対応方針(予約制限など)を設ける
- 再予約時には「過去の事情を踏まえ予約をお断りする可能性がある」と丁寧に伝える
感情的な拒否ではなく、ルールに基づいた事務的対応であれば、法的リスクも軽減されます。
まとめ|継続的なドタキャンには「拒否」も法的に可能
無断キャンセルを繰り返す顧客に対しては、正当な理由と一定の基準があれば、予約やサービスの提供を拒否することが可能です。
ただし、差別的・恣意的な対応と誤解されないよう、事前のルール整備と記録の保存を徹底しましょう。
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